監修:神内 聡(弁護士・兵庫教育大学大学院教授)
対象:小学校高学年から
定価:2,750円(本体2,500円+税10%)
発行年月日:2025年1月27日
判型・体裁:B5判上製 64ページ
ISBN:978-4-378-02535-3
Cコード:8037 NDC:371
内容紹介
きびしすぎる指導、セクハラ、いじり……きみの学校生活を守るには。
知っておいてほしい、学校で起きるハラスメントのこと。
子どもの権利と、法律の視点から、スクールハラスメントを説明します。
・いじめ
・体罰、暴言、きびしすぎる指導
・セクハラ
・ジェンダーハラスメント
・SOGIハラスメント
・レイシャルハラスメント
・スポーツハラスメント
・いじり、パーソナルハラスメント
・ソーシャルメディアハラスメント
〈この本の目的〉
1.スクールハラスメントについて知ってもらう
ハラスメントを受けている当事者にとっては、「知ったところで、ぼくの(わたしの)つらさは変わらない」と思うかもしれません。でも、そのつらさの原因になっていることが、ハラスメントとよばれるものであって、世の中で問題になっていると知ればどうでしょう。「やはり自分が受けているあつかいはおかしい」「自分と同じように苦しんでいる子どもたちがいる」とわかり、ひとりでがまんせず、だれかに相談したり、声を上げたりする勇気が出てくるのではないでしょうか。また、ハラスメントは、自分でも気づかないうちにしていることがあります。何がハラスメントになるのかを知ることで、自分の行動を見直すきっかけにもなります。
2.ハラスメントに対して、どのように立ち向かっていくか学ぶ
そもそも、なぜハラスメントはいけないことなのかを考えながら、どのように子どもはハラスメントから守られるのか、法律や社会のしくみはどうなっているのかを説明します。さらに、どうしてハラスメントをしてしまうのかについても考えて、社会全体でハラスメントをなくしていくことを考えたいと思います。
そもそも、ハラスメントってなに?
ハラスメントは、「いやがらせ」という言葉以上に、相手を苦しめつづけて、ふかく傷つけるという意味がこめられています。
ハラスメントは「人権」を侵害すること。
子どもにも、ちゃんと人権があります。「子どもの権利条約」と「こども基本法」との関係も。
「ああ、これハラスメントなんだ」
なぜいけないのか、どのように相手を傷つけるのか。学校で起きるいろいろなハラスメントを、例をあげながら、わかりやすく説明します。
もくじ
1章 スクールハラスメントとは
1ハラスメントってなに?/2なぜハラスメントはいけないの?/3スクールハラスメントとは/4スクールハラスメントの特徴
2章 子どもの権利とハラスメント
1人権とハラスメント/2子どもはひとりの人間/3子どもの権利条約ってなに?/4子どもの権利を知ろう/5こども基本法ってなに?/6こども基本法で何が決められているの?/7はじめての「こども大綱」ができました
3章 いろいろなスクールハラスメント
1いじめ/2体罰、暴言、きびしすぎる指導/3セクシャルハラスメント(スクールセクハラ)/4ジェンダーハラスメント/5SOGIハラスメント/6レイシャルハラスメント/7スポーツハラスメント/8パーソナルハラスメント、いじり/9ソーシャルメディアハラスメント/10マイクロアグレッション
4章 相談窓口
1こまったときは相談しよう/2学校内の相談体制
監修:神内 聡(じんない・あきら)
1978年、香川県生まれ。弁護士、兵庫教育大学大学院教授。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科、筑波大学大学院ビジネス科学研究科修了。教員免許を保有し、日本で初めての弁護士資格を持つ社会科教師として中高一貫校で勤務する一方、弁護士として各地の学校のスクールロイヤーを担当している。2018年にはNHKドラマ『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』の法律考証を担当した。主な著書に『学校弁護士 スクールロイヤーが見た教育現場』(角川新書)などがある。