デボラ・エリス
訳 もりうち すみこ
定価 本体1500円+税
判型・体裁 A5判/256ページ
発売年月 2013年4月
ISBN 978-4-378-01498-2
内容紹介
米軍からテロリストとうたがわれたアフガンの少女は……
女性兵士の足音が、廊下を遠ざかっていく。少女は立ったまま、靴音がもどってこないかどうか、耳をそばだてた。
ついに、だれもやってこないことがわかると、少女は、よごれた青いチャドルの中で、やっと、つぶやいた。
「そう、わたしの名前はパヴァーナよ」
……戦乱のアフガンを生きぬく少女を描いた連作の最終巻。
作者、デボラ・エリスより
今日、アメリカ合衆国を含む外国軍は、アフガニスタンから軍隊を引きあげる方向に動いています。しかし、戦闘はつづいています。最終的にだれが勝者となるかは、明らかではありません。どんな状況にしろ、アフガニスタンの人々は、生活しつづけなければなりません。そして、その暮らしを少しでもよくするために、パヴァーナやショーツィアやウィーラ夫人のような人々が、懸命にはたらいているのです。そのような多くのアフガニスタンの女性、男性、子どもをこそ、世界は支えなければなりません。かれらをたすけることは、わたしたちの義務なのです。