わたしのタンポポ研究

著:保谷彰彦 
定価:(本体1400円+税)
判型/体裁:四六判/144ページ
発行年月:2015年5月
ISBN978-4-378-03916-9
NDC479
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内容紹介

日本固有のタンポポは、次第にセイヨウタンポポにとって替わられたかにみえたが、じつはそうではなかった。私たちの気づかないうちに、いろんな種類の雑種タンポポが、勢力をのばしていたのだ……タンポポ一筋に研究を続けてきた著者が、その内容をわかりやすく紹介する。

もくじ
第1章 日本はタンポポの国
第1節 タンポポの生き方を知るために
◆花に引きよせられて
第2節 タンポポの国、日本
◆タンポポの国 ◆里山のタンポポ ◆白い花のタンポポ ◆山に咲くタンポポ
第3節 外来タンポポの広がり
◆外来タンポポの登場
第4節 雑種タンポポの登場
◆奇妙なタンポポの発見 ◆雑種タンポポって何? ◆地域に広がる
◆驚きの全国制覇

第2章 タンポポのかたちと生き方
第1節 花や種子から生き方をみる
◆かたちから探る ◆ひとつに見える花 ◆舌のかたちをした小さい花
◆ちいさくてもりっぱな花 ◆痩せっぽっちの果実 ◆にぎやかな動きを支える花茎
◆ライオンにたとえられて ◆べたべた成分
第2節 そっくりさん
◆タンポポに似ている草花
第3節 タンポポを見分けるポイント
◆注目するのは総苞片 ◆日本タンポポ ◆外来タンポポ ◆雑種タンポポ
第4節 実験で調べる
◆雑種タンポポを正確に調べる方法
第5節 種子のでき方は二通り
◆種子のでき方にちがいあり! ◆日本タンポポの受粉と受精 ◆クローンで増える
第6節 実際に調べてみよう
◆メモをとりながら ◆注意しながら

第3章 雑種タンポポの研究
第1節 都市に広がる雑種タンポポ
◆身近な現象を研究テーマに ◆都内での一人タンポポ研究
第2節 種子は情報の宝箱
◆遠くへ運ばれる種子 ◆種子は眠る ◆季節を感じる種子
◆種子につまった情報を求めて
第3節 タンポポを集める
◆見つからなかったセイヨウタンポポ ◆ついに勢ぞろい
第4節 種子の発芽に隠されたひみつ
◆シーズン前のソワソワ ◆種子の性質を調べる ◆ほほえみから知る
◆暑いと発芽しないカントウタンポポ ◆暑くても発芽するセイヨウタンポポ
◆そして、雑種タンポポは?
第5節 芽生えの力
◆考えられるストーリー ◆芽生えの生き残り ◆暑さに弱かった芽生え
第6節 幼いときの成長の速さ
◆成長がよい雑種タンポポ ◆数は大きく変わらない?
第7節 まるで異なる生き方
◆みんなで暮らす ◆一個体でも暮らせる
第8節 都会に強い雑種タンポポ
◆都市生活にマッチする ◆親よりも大きくなる ◆次なる疑問

第4章 タンポポをもっと知るために
第1節 広がる外来生物
◆セイヨウタンポポにより変わるもの ◆外来生物って何? ◆予想外の野生化
第2節 変化をもたらす外来植物
◆外来植物がやってくる ◆海外に出ていった日本の植物 ◆静かな変化
第3節 日本タンポポの繁殖を鈍らせる
◆セイヨウタンポポがもたらす二つのこと ◆繁殖を鈍らせる花粉
第4節 雑種タンポポの誕生を振り返る
◆雑種タンポポはどうやってできたの? ◆海外で見つかったサイクル
◆雑種タンポポのでき方
第5節 新しい雑種タンポポの誕生
◆余計な花粉の問題 ◆交雑が進むと……
第6節 日本タンポポから見る世界
◆外来生物は進化する ◆生えていて当たり前?
第7節 まだまだ謎だらけ
◆尽きない疑問 ◆足元に広がる謎を楽しむ


著者紹介

保谷 彰彦(ほや あきひこ)
1967年生まれ。東京大学で博士号(学術)取得。専門はタンポポの進化や生態。農業環境技術研究所を経て国立科学博物館植物研究部に勤務。企画と執筆の「たんぽぽ工房」設立。現在、文筆業とタンポポ研究の他、大学での授業や講演会、草花散歩会などの活動を展開中。主な著書に『身近な草花「雑草」のヒミツ』(誠文堂新光社)、『外来生物の生態学』(文一総合出版、共著)、『たのしい 理科の小話事典』(東京書籍、共著)、絵本『じゃがいもくん しつもんです』(学研教育出版、監修)などがある。


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