サリーの愛する人

■サリーの愛する人

エリザベス・オハラ=作
もりうち すみこ=訳

定価:本体1700円+税
判型・体裁:四六判/345ページ
発行年月:2014年4月
ISBN978-4-378-01495-1
NDC933

<サリーの青春>三部作
1.サリーの帰る家
2.サリーのえらぶ道
3.サリーの愛する人(本書)
【内容】
20世紀の幕開けに、アイスランドの首都ダブリンは、活気にみちていた。
サリーは、家庭教師としてやとわれた上流階級をとおして思いもよらぬ新しい体験をする。生まれて初めて自転車に乗り、著名な詩人と間近に出会い、文芸復興の熱気の中で進歩的な友人たちと、自由な都会の生活を満喫していた。
【本文より】
 サリーは、トーマスの手首に手をのせた。その真剣な表情が、トーマスに、これから知るべきことを伝えていた。
「トーマス、あなた、誤解しているわ。ごめんなさい。でも、わたし、まだ決心してないの」
 トーマスの顔が真っ青になった。
「それに」サリーはつづけた。「ある人が、わたしに会いにきたの。故郷から」
「ある、男が、ってことか?」トーマスが、急にこわい顔で、責めるようにサリーを見つめた。
【作者】 エリザベス・オハラ
 1954年、アイルランド、ダブリン生まれ。国内外の複数の大学で、古英語、古アイルランド語、民間伝承を研究し、アイルランド国立図書館に勤務しながら、多くの作品を発表している。大学で教鞭をとるほか、欧米各国で講演活動もおこなっている。

【訳者】 もりうち すみこ
 福岡県生まれ。訳書『ホリス・ウッズの絵』(さ・え・ら書房)が産経児童出版文化賞に、訳書『真実の裏側』(めるくまーる)が同賞推薦図書に選ばれる。他の訳書に『ヨハネスブルクへの旅』『リリー・モラハンのうそ』(共にさ・え・ら書房)、『キルトにつづる物語』(汐文社)、『ベニー・フロム・ヘブン』(ほるぷ出版)、『ドリーム・アドベンチャー』(偕成社)などがある。

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