わたしの森林研究 鳥のタネまきに注目して |
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直江将司著 組み見本 |
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【内容】 植物は果実をつくり、果肉の部分を動物に食べ物として与え、その代わりに、動物は果実に含まれる種子を別の場所にまで運ぶ。このような動物によるタネまきを、動物散布という。 本書は、動物散布がどのようになされているか……その調査・研究をおこなっている若き研究者の記録である。 |
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植物にはおいしい果実をつける以外に工夫しているものもいる。哺乳類は鳥類とちがって歯があるので、彼らに果実を食べられているうちに歯で種子が傷つけられてしまう可能性がある。そこで、哺乳類が好んで食べる果実では、種子を小さくすることでかみ砕かれる可能性を低くしている。さらに、種子にぬるぬるした物質をまとわせて、かみ砕かれにくいようにしている果実もある。トマトなどはその代表的な例である。――●本文より |
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【著者】直江 将司(なおえ しょうじ) 1983年香川県丸亀市生まれ。2006年に京都府立大学農学部を卒業後、2012年に京都大学理学研究科の博士課程を修了、博士(理学)。東京大学農学部生命科学研究科 特任助教などを経て、森林総合研究所森林植生研究領域 任期付研究員(現職)。専門は森林生態学および保全生物学。鳥類や哺乳類による種子散布のほか、環境激変下における生物多様性の保全方法について研究を行っている。 |
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【もくじ】 第1章 小川の森で研究を始める あとがき |