アフガニスタンのひみつの学校 ほんとうにあったおはなし


ジャネット・ウィンター

訳:福本友美子 解説:清末愛砂

対象年齢     小学校低学年から
定価           1,650円(本体1,500円+税10%)
発行年月日  2022年3月
判型・体裁  A4変上製 40ページ
ISBN        978-4-378-01530-9
Cコード     8797
NDC         384

・書評
2022年3月28日 読売新聞・夕刊 本よみうり堂 ジュニアワールド「世界を考える本」
掲載
2022年5月    絵本フォーラム5月号「土居安子のおすすめ絵本」

内容紹介

「今もアフガニスタンの地で、
自分たちの権利を必死で守ろうとしている女性たちがいることを、
どうかわすれないでください」
――解説・清末愛砂
(室蘭工業大学大学院教授、アフガニスタンにおける女性人権問題研究家)

かわいそうに、まごむすめのナスリーンは、
学校に行くことをきんじられ、両親をタリバンの兵士に連れていかれ、
ひとことも口をきかなくなりました。
これはなんとかしてあげなければなりません。
そのころ、あるうわさを耳にしました。
家のそばの通りにある、みどり色の門。
そこには学校が……女の子のためのひみつの学校がある、と。

ナスリーンの心のまどをひらきたい―――おばあちゃんの願いと、勇気と、「ひみつの学校」が、小さな奇跡をよびおこす。
今から20年ほどまえのアフガニスタンで、ほんとうにあったおはなしです。

◇         ◇        ◇

   アフガニスタンは、1970年代の終わりから、ソビエト連邦(ロシア)の軍事侵攻や内戦により、国内の混乱がつづきました。1996年には、イスラム教系グループ「タリバン」が政権をにぎり、女性だけの外出や、女の子が学校に行くことを禁止したりと、女性の権利を大きく制限するようになりました。2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生すると、その実行犯であるテロ組織「アルカイダ」をタリバンがかくまったため、アフガニスタンは米英軍からの軍事攻撃を受けることになります。同年タリバン政権は崩壊しますが、その後も国内の情勢は安定することなく、政府軍とタリバン、テロ組織「イスラム国」が対立し、民間人を巻きこむ爆弾テロが頻発する不安定な政情がつづくことになります。
   女性の権利の侵害について、2001年のタリバン政権崩壊の後に改善されたのかというと、まったくそうはなっていません。もともと、アフガニスタンでは男性中心の考え方が強く、女性に対する暴力や、教育をいらないなどとする差別的な考えには根深いものがあり、タリバンだけが原因ではないからです。むしろ、国内情勢の混乱や治安の悪化により、女性の権利は、より制限されるようになったとさえ言われています。
   2021年8月、タリバンがふたたびアフガニスタンの政権をにぎりました。新しい政権はこれから女性の権利を改善していくのか、まったく予断を許すことができず、世界が注視しています。
   この物語は、前のタリバン政権時代(1996~2001年)に、本当にあったできごとです。政権が変わるなか、いつの時代にあっても、教育の大切さを知り、女の子に教育は必要であると、なんとか学校に行かせようと努力してきた女性たちがいました。そして、彼女たちの取り組みは、今もなおつづいています。
「かわいそうなアフガン女性」のことを知ってほしいのではなく、「勇気あるアフガン女性」のことを忘れないでほしい―――解説・清末愛砂さんの主張です。まさしくそれが、本作の出版意図であることを申し添えます。

 (編集部)

作者紹介

作者:ジャネット・ウィンター(Jeanette Winter)
アメリカの絵本作家。『バスラの図書館員』(晶文社)、『マララとイクバル』(岩崎書店)など事実に基づいた絵本や、ジョージア・オキーフ、ジェーン・グドール、ビアトリクス・ポターなどの伝記絵本を数多く手がける。『この計画はひみつです』(すずき出版)は息子のジョナ・ウィンターとの共著。ニューヨーク在住。

訳者:福本友美子(ふくもと ゆみこ)
公共図書館勤務の後、児童書の翻訳、研究をする。訳書は『としょかんライオン』(岩崎書店)、『ないしょのおともだち』(ほるぷ出版)ほか多数。ジャネット・ウィンター作品の翻訳には『ニューヨークのタカ ペールメール』(小学館)、『ろばのとしょかん』(集英社)、『ワンガリの平和の木』(BL出版)、『わたしたちの家が火事です』(すずき出版)などがある。東京在住。

解説:清末愛砂(きよすえ あいさ)
1972年に大分県で生まれ、11歳まで山口県で育つ。現在は室蘭市(北海道)在住。室蘭工業大学大学院教授。憲法やアフガニスタンの女性の人権について研究している。アフガニスタンに関する著書として『≪世界≫がここを忘れても-アフガン女性・ファルザーナの物語』(寿郎社)、『ペンとミシンとヴァイオリン-アフガン難民の抵抗と民主化への道』(寿郎社)などがある。

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