サリーのえらぶ道


■サリーのえらぶ道

エリザベス・オハラ=作
もりうち すみこ=訳

定価:本体1700円+税
判型・体裁:四六判/288ページ
発行年月:2011年12月
ISBN978-4-378-01493-7
NDC933

<サリーの青春>三部作
・サリーの帰る家
・サリーのえらぶ道(本書)
・サリーの愛する人
【内容】
ひと夏のできごとが、サリーの人生を大きく変えた。
1893年の夏、北アイルランドのドニゴール州は、かつてない暑さと乾きに見舞われていた。
雇われ娘のまま一生を終えたくはないと決意して故郷に帰ったサリーだったが、待っていた現実は、追い立て、死、侮辱と、きびしいものばかり。しかも、一年でもっとも楽しいはずのブルーベリー・サンデーの祭りが、これほどつらいものになるとは……。
【本文より】
 サリーは泣き出した。いつも、この歌を聴くと悲しいきもちになるが、今、セイディーのうつくしい歌声をとおして、自分を去った若者に心のすべてをささげてしまった少女の物語を聞いていると、マナスに対する不安と、もどかしさと、いとおしさが、泉のようにいっぺんにわきでてくる。
 マナスは、わたしを愛している。わたしを捨てたりなどしていない。それなのに、歌の中の少女をまるで自分のように感じ、少女の気持ちが、手にとるように、わかりすぎるほどわかる。だって、恋人が心変わりするなんて、こんな悲しいことがあるだろうか。
【作者】 エリザベス・オハラ
 1954年、アイルランド、ダブリン生まれ。国内外の複数の大学で、古英語、古アイルランド語、民間伝承を研究し、アイルランド国立図書館に勤務しながら、多くの作品を発表している。大学で教鞭をとるほか、欧米各国で講演活動もおこなっている。

【訳者】 もりうち すみこ
 福岡県生まれ。訳書『ホリス・ウッズの絵』(さ・え・ら書房)が産経児童出版文化賞に、訳書『真実の裏側』(めるくまーる)が同賞推薦図書に選ばれる。他の訳書に『ヨハネスブルクへの旅』『リリー・モラハンのうそ』(共にさ・え・ら書房)、『キルトにつづる物語』(汐文社)、『ベニー・フロム・ヘブン』(ほるぷ出版)、『ドリーム・アドベンチャー』(偕成社)などがある。

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