シリーズ「生きのびるために」



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デボラ・エリス作
もりうち すみこ訳
吉川聡子絵

A5判/168ページ/2002年2月発行
ISBN978-4-378-00766-3
定価:本体1300円+税
小学上級~中学生向き
タリバン政権下のアフガニスタン。女性は男性同伴でなければ、1歩も外に出られない。父をタリバン兵に連れ去られ、食糧もお金も手に入らなくなった一家の窮地を救うため、11歳の少女パヴァーナは髪を切り、少年となってカブールの町へ出ていく……。

平和への祈りをこめて、アフガン人難民キャンプでの取材をもとに描いたシリーズ第1作。
【訳者あとがき】より
作中、パヴァーナとショーツィアが将来についてかわす会話「じゃ、どうすればいいの?」「たぶん、だれかがでっかい爆弾一個落として最初からやり直すのね」「それなら、とっくにやってるじゃないの。でもよけいに悪くなっただけだわ」これがまるで予告だったかのように、2001年9月の同時多発テロ後、報復の名のもとに、アフガニスタンには大国アメリカによって爆弾の雨がふらされました。しかし、その結果は? それはこれから世界じゅうの人びとによって、長く見まもられなければならないものとはいえ、パヴァーナのような子どもたちが、のびやかに生きられる社会が実現することを願わずにはいられません。
デボラ・エリスさんは、今、世界じゅうで読まれているこの本の印税を、すべてアフガン難民女性の教育のために寄付しています。




デボラ・エリス 作
もりうち すみこ 訳

A5判/192ページ
2003年4月発行
ISBN978-4-378-00782-3
定価:本体1300円+税
立ちつくすパヴァーナの耳に、かすかな風に運ばれて、か細い泣き声が聞こえてきた。子ねこだろうか。村はずれの家から聞こえてくるようだ。そっと近づき、入り口に立つ。家は屋根の一部がくずれ落ち、部屋の真ん中に瓦れきの山ができている。パヴァーナは、瓦れきごしに声のするほうを見た。子ねこではない。部屋のすみにいたのは、赤ん坊だった……。
 たびかさなる戦乱で荒廃した、アフガニスタン。家族をさがして荒野をさすらう少女が旅の途中で見たものは?……
【作者あとがき】より
 将来のアフガニスタンにとって最も大きな希望は、学校が再開されたことです。今では男の子も女の子も、すべての子どもたちに教育をうける機会があります。しかし、あらゆるものが破壊され、国民がいちじるしい貧困におちいっているこの国が、学校を再建したり、生活の必需品を供給するためには、世界中の人びとからの助けが必要です。その助けがあってこそ、アフガニスタンの人びとは生活を立て直し、また新たな希望を持つことができるのです。




デボラ・エリス 作
もりうち すみこ 訳

A5判/176ページ
2004年4月発行
ISBN978-4-378-00788-5
定価:本体1300円+税
 タリバン政権下のカブールで髪を切り少年となって働いていたショーツィアは、アフガニスタンを脱出し、パキスタンの難民キャンプにたどりつく。だが、泥かべに閉じこめられた生活には何の希望もない。フランスへ行く夢を実現させるため、ついには愛犬とともにペシャワールで路上生活をはじめる少女に、さらに苛酷な現実が待っていた。
 難民となった少女は、キャンプ内で死んだような一生を送るしかないのか。運命を切りひらこうと懸命に闘うショーツィアが、最後にえらんだ道とは……。戦乱のアフガンを生きぬく少女を描いた連作の第3作。
【作者あとがき】より
 あらゆるものが破壊され、国民がいちじるしい貧困におちいっているこの国が、学校や図書館、診療所、道路などを再建したり、生活の必需品を供給するためには、世界中の人びとからのたすけが必要です。たとえば、わたしの国カナダには、アフガニスタンの人びとを援助しようとするNPOがたくさんありますが、そのひとつは、破壊された図書館を再建することや焼かれた本を補充することを支援していて、カナダの多くの大人や子どもたちの賛同を得て活動しています。




デボラ・エリス 作
もりうち すみこ 訳

A5判/256ページ
2013年4月発行
ISBN978-4-378-01498-2
定価:本体1500円+税
 米軍からテロリストとうたがわれたアフガンの少女は……
 女性兵士の足音が、廊下を遠ざかっていく。少女は立ったまま、靴音がもどってこないかどうか、耳をそばだてた。
 ついに、だれもやってこないことがわかると、少女は、よごれた青いチャドルの中で、やっと、つぶやいた。
「そう、わたしの名前はパヴァーナよ」
……戦乱のアフガンを生きぬく少女を描いた連作の最終巻。
【作者あとがき】より
今日、アメリカ合衆国を含む外国軍は、アフガニスタンから軍隊を引きあげる方向に動いています。しかし、戦闘はつづいています。最終的にだれが勝者となるかは、明らかではありません。
 どんな状況にしろ、アフガニスタンの人々は、生活しつづけなければなりません。そして、その暮らしを少しでもよくするために、パヴァーナやショーツィアやウィーラ夫人のような人々が、懸命にはたらいているのです。そのような多くのアフガニスタンの女性、男性、子どもをこそ、世界は支えなければなりません。かれらをたすけることは、わたしたちの義務なのです。